日米合同委員会は日米地位協定第二十五条1で次のように規定されている。
この協定の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項に関する日本政府と合衆国政府との間の協議機関として、合同委員会を設置する。合同委員会は、特に、合衆国が相互協力及び安全保障条約の目的の遂行に当たって使用するため必要とされる日本国内の施設及び区域を決定する協議機関として、任務を行う。
日米合同委員会の組織図は以下の通り。
日本側代表:外務省北米局長 代表代理:法務省大臣官房長・農林水産省経営局長・防衛省地方協力局長・外務省北米局参事官・財務省大臣官房審議官
米側代表:在日米軍司令部副司令官 代表代理:在日米大使館公使・在日米軍司令部第五部長・在日米陸軍司令部参謀長・在日米空軍司令部副司令官・在日米海軍司令部参謀長・在日米海兵隊司令部参謀長
その下に次のような分科委員会ないし部会が設置されている。
気象分科委員会・基本労務契約、船員契約紛争処理小委員会・刑事裁判管轄権分科委員会・契約調停委員会・財務分科委員会・施設分科委員会(含む9部会)・周波数分科委員会・出入国分科委員会(含む1部会)・調達調整分科委員会・通信分科委員会・民間航空分科委員会・民事裁判管轄分科委員会・労務分科委員会・航空機騒音対策分科委員会・事故分科委員会・電波障害問題に関する分科委員会・車両通行分科委員会・環境分科委員会・環境問題に係る協力に関する特別分科委員会・日米合同委員会合意の見直しに関する特別分科委員会・刑事裁判手続きに関する特別専門家委員会・訓練移転分科委員会・事件、事故通報手続きに関する特別作業部会・事故現場における協力に関する特別分科委員会・在日米軍再編統括部会
数多いこれら委員会の日本側代表及び議長は全員エリート官僚である。そしてこれら委員会で審議され合意された内容については、政府に報告されることなく実行に移される。総理大臣も口出しすることができない、まさに憲法の上に君臨する日米合同委員会である。
辺野古移設問題訴訟で沖縄県側が全敗した裏には、日米合同委員会の存在がちらつく。その存在が強く影響していると考えても決して不思議ではないだろう。占領軍に楯突くなよ、と恫喝されたら、もやしのようにひ弱い今の日本のエリート官僚は抵抗しないどころか、進んで米軍に有利になる政策を選択する。日本の三権分立は形だけで健全に機能しているとは言えない。
アメリカから独立して真の主権を取り戻さない限り、日本はますます衰退していくだけだ。