中間選挙で、トランプ大統領率いる共和党は、上下両院で惨敗した。しかも大敗北である。
原因は、トランプ大統領の目にあまる失政にある。行政の最高権力者の失政に国民が鉄槌を下したと言う意味では、米国の民主主義が健全に機能したと言えるかもしれない。
しかし、米国議会は二院制であり、共和党の代わりに上下両院で過半数を獲得したのは民主党である。民主党がまともな政党であるなら、米国の政治が今後、良い方向へ向かうだろうと期待できるはずだが、民主党は決してまともな政党とは言えない。
だから民主党政治に飽きた米国民は、トランプ大統領に賭けたのだ。トランプ氏は戦争が嫌いで、自国民を豊かにする経済政策を推進して、Make America Great Again を実現してくれるはずだと米国民は期待した。
しかし、米国民の期待はトランプ大統領就任から約2年後、無惨にも打ち砕かれた。今年1月3日、米軍はベネズエラを攻撃してマドゥロ大統領夫妻を拘束。そのまま米国へ強制移送し、裁判にかけた。目的は世界一の埋蔵量を誇るベネズエラの石油強奪である。
明らかな国際法違反であるにもかかわらず、トランプ大統領は完全無視。ここからトランプ大統領の行動が完全におかしくなる。ベネズエラ攻撃から間もない2月28日、米国はイスラエルと共にイランを空爆。一瞬にして最高指導者ハメネイ氏と幹部数十名を虐殺した。宣戦布告なしのイラン戦争に突入。これも明らかな国際法違反である。しかし、トランプ氏は自分が国際法であると言った。ここまでくるともうメチャクチャである。
力は正義なり、力の強いものは何をやっても構わないの世界。これがトランプ氏の信念なのだろう。しかし、イランはベネズエラと違い、想像以上に手強かった。こうなる事態を予想して、軍事力を強化し、指導者が殺されても崩壊しない体制を構築していたのだ。湾岸諸国に駐留する米軍基地にミサイルを撃ち込んで、ほぼ壊滅状態にした。
そしてホルムズ海峡を封鎖した。これで世界の石油の値段が高騰した。米国も例外ではない。石油価格の高騰で諸物価も値上がりして、米国民はインフレに苦しむ。イラン戦争は間違いだと言う声が米国民の間で増える。トランプ大統領の人気はガタ落ち。
イラン戦争がいつ終息に向かうのか、今もって誰も予想できない。こんな状況下で選挙に勝てるはずがない。共和党が惨敗したのは当然の結果である。しかし、ここで注意しなければならないのは、民主党の政策が共和党よりましだから米国民は民主党に投票したのではない、と言う点だ。
民主党の勝利というよりは、共和党の自滅という方がより正確である。これは何を意味するか?
米国の政治はもはや、どうしようもないところまで来てしまったのではないか、ということである。再び偉大なアメリカにする、というトランプ氏のスローガンは、夢のまた夢の蜃気楼でしかない。これが今のアメリカの現実である。
民主党も共和党もダメとなると、アメリカはこれから一体、どこへ向かうのだろうか。僕の予想は地獄である。遅かれ早かれ、アメリカは地獄へ突き進んでいくだろう。内戦が起きる可能性も高い。
アメリカは今年で建国250年を迎えた。しかし、先住民族ネイティブアメリカンをジェノサイド(民族皆殺し)してできた建国250年である。まともな人間の精神の持ち主なら、手放しで祝えない250年のはずである。祝う前にやるべきことがあるだろう。先住民族ネイティブアメリカンに対して行った非人道的行為を、国の指導者たちが、心からの謝罪を公の場で表明することである。
それができないアメリカ合衆国に希望ある未来が訪れることはない。