何を今さらである。バイデン氏がアメリカ大統領という重職に不適任なのはすでに4年前から指摘されていた。言い間違いはするし、何度も転んだり、演説を終えて逆方向に歩いたりで、当時から認知症の疑いが濃厚だった。それをアメリカのマスメディアはできるだけ隠蔽し続けた。信じがたいことだがアメリカのマスメディアのほとんどは民主党支持である。
しかし、先月行われたトランプ氏との公開討論会で目も当てられないほどの大失態を演じ、とうとう自身の認知症を公に晒す羽目になってしまった。この時から民主党内では撤退すべきとの声が出始める。がしかし、本人はあくまでも出ると言い張ったのである。現職の大統領本人が辞退すると言わない限り、どんなに有力な党員の勧告も通用しないことが慣例になっているらしい。
だからバイデン氏は自分の意思を貫いたのだ。彼の執念には理由がある。トランプ氏が大統領に返り咲いたら、自分が執ってきた政策が全てひっくり返され、ウクライナでの収賄事件が公にされて裁判にかけられる恐れがあるのだ。だからどうしてもトランプ氏を大統領にするわけにはいかないのだ。
しかし事態が大きく動く。トランプ氏の暗殺未遂事件だ。この時のトランプ氏の危機的状況に屈しない強いリーダー像はアメリカ国民の心を鷲掴みにしたはずだ。アメリカ人は強いリーダーに憧れるという国民性がある。トランプ氏の人気はさらに急上昇し、続く共和党全国大会は大きく盛り上がった。
これで万事急須。党内からの圧力はさらに高まり、抵抗できなくなったバイデン氏はついに匙を投げたのである。なんとも後味の悪い醜態だが、カマラ・ハリス副大統領を指名候補に推薦するとバイデン大統領が言った時は流石に民主党には人材がいないことを知って思わず絶句してしまった。
カマラ・ハリスは副大統領職も上手くこなせない無能政治家である。これでトランプ氏の返り咲きはほぼ確定したと言って良いだろう。しかし、ディープ・ステートがこのまま引き下がるとも思えない。彼ら闇勢力にとってトランプ氏は邪魔である。これまでも悪魔の老人バイデンを使って、あの手この手でトランプ氏を追い落とそうと試みてきた。何十件にも上る訴訟、暗殺未遂。だが、そのいずれも失敗した。
しかし悪魔は執念深い。11月大統領選までに何が起こるか誰にも予想はできない。アメリカの民主主義はそれほどに怖い暴力に満ちた民主主義である。
日本の民主主義はその怖いアメリカの民主主義に怯えている。世界で一番臆病で卑怯な民族(伊藤貫)、それが今の我々日本人である。